10月16日~自分が自分らしく
運動会の季節です。毎週、どこかの幼稚園や保育園、小学校や中学校で、賑やかに開催されています。
お寺の幼稚園や保育園でも、毎年たくさんの子どもをお預かりしていますが、時折耳にするのが、「子どもは自由」、「子どもの権利」という言葉です。
子どもの自由とは、子どもの伸び伸びとした心・思いを尊重することであり、権利とは、自分のことを自分で決める自己決定権であり、それぞれに子どもにとって大切なことであり、それは大人の世界でも同様です。
しかし一方では、どのような状況にあっても子どもをほったらかしで、勝手気まま、自由奔放にさせている親の姿を見かけることが多くなったのも事実です。
これは、自由や権利という言葉の一人歩き。あるいは自由と放任のはき違え、誤った子ども中心主義と言えるでしょう。
子どもも大人も、この社会で生きていくために、まず基本として心得なければいけないのは、人は一人では生きていけないということです。そして周囲の多くの方々に支えられながら生き、生かされているという事実です。
その基本的な心得があった上で、五歳なら五歳の段階、十歳なら十歳の段階と、子どもの心と体の発達段階に応じた自由と自己決定がなされることが大切です。 そのためには親をはじめ、幼稚園や保育園、学校の先生方の関わり方がとても大切なのは言うまでもありません。
大人も同様です。常識や節度、あるいは社会的規範を守りながら生活することは大切なことですが、極度にそれに縛られながら生活するのは息苦しいものです。
常識や節度、社会的規範は、元来人々がゆたかに生活するために設けられたものです。
人は一人では生きていけないということ。その事実を尊重しながら、自分が自分らしく生きることのできる道を切り開いていきたいものです。
2015年10月16日【250】