10月1日~私にはお任せするしか…。
秋のお彼岸が終わりました。
さて、今年は台風や大雨が多く、特に先月十一日の鬼怒川の水害は甚大で、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。
自然の猛威に驚く一方で、テレビ画面に見入ったのは濁流の中で、家に取り残された人たちをヘリコプターで救助する映像でした。
報道によりますと自衛隊・消防・警察をはじめとする機関から、救助のため出動したヘリコプターは三十八機で、それによる救助者は茨城県全体で一一四五名に上るそうです。
また、多数の機関にまたがるヘリが連携して救助活動にあたり、一日でこれだけ多くの救助が迅速にできたのは、これまでの震災の教訓と、関係者の不断の努力の賜と言えましょう。
しかし、もし自分自身があの濁流に迫られ、生きるか死ぬかという状況になったとき、どうするでしょうか。
幸いヘリコプターがやってきて、「今ロープを下ろすから頑張って上がってきなさい。上でちゃんと待っているから…」と言われたら、あなたならどうされますか。
多分、私は怖くて上ってはいけないでしょう。
普段からたくさん訓練を積んだ人が降りてきて、安全ベルトを私の体にしっかりとつけて、抱きかかえて一緒に上がってくださるから、人は安心してあの危機迫る中で自らの体を委ねることができるのでありましょう。
私にはお任せするしかありません。
阿弥陀さまのお救いは、まさしくこの姿ではなかろうかと思います。
阿弥陀さまはお浄土で待っておられるのではなく、この私を救わんと常々はたらいていてくださっています。
しかも、自分で努力してお浄土に来なさいと言われるのではなく、阿弥陀さまの方から、私を抱きとめ決して離さないと誓っておられるのです。
そのはたらきを本願力というのです。
2015年10月01日【249】