5月1日~どのようなときに子どもを叱る?
早いもので、入園式や入学式、あるいは入社式より一ヵ月が過ぎました。
お寺の幼稚園や保育園でも、先生方は、慣れない新入園児のお世話に一生懸命です。
その先生方から、研修会の時などに、「どのようなときに子どもたちを叱ったらよいのですか」という質問を受けます。
その問いに私は、「その子ども自身に危険が及ぶようなことをしているとき、分かっているのにわざと皆の和合を乱すようなとき、してはならない反社会的な行為をしているときの三つを基本としましょう」と答えます。
一番目は、例えば高い危険なところによじ登ったり、石などを投げて周囲の子どもたちが怪我をするような危険があるときです。
二番目は、園内で皆がそろって一つのことをやらなければならないときに、それが理解できていながら、わざとその和合を乱すようなことをしたとき。
三番目は、例えば一般車道で友だちを押したり、バスや電車のイス席に靴のままで立ってはしゃいだりというようなときです。
そして、叱り方も三歳、四歳、五歳の発達段階に応じて本人が理解できるように。また子どもに対する目線や声の大小、言葉の使い方や強弱も、その子どもの状況に応じてと、一口に子どもを叱ると言っても様々なことが求められます。
先生方にとって大変難しいことですが、私は常々、このことを阿弥陀さまのお心に学びます。
阿弥陀さまのお慈悲の心は、まさしく私たち一人ひとりの性格や環境に応じて縦横無尽にはたらいてくださるとお聞かせいただくからです。
私たち一人ひとり、決して捨てられることなく、よりよい人生を送ることが出来るように常に見守り、励まし、時に叱ってくださるのが阿弥陀という仏さまであります。
その阿弥陀さまのお心とお姿に学び、毎日共に手を合わせ、子どもたちも先生も、共に成長するすばらしさ尊さが、お寺の園にはあります。
2015年04月30日【239】