5月16日~モノについての反省
野山の緑がまぶしい季節になりました。
先日テレビで、アメリカの「TIME(タイム)」誌で、世界で最も影響力のある一〇〇人に、『人生がときめく片づけの魔法』の著者・近藤麻理恵さんが選ばれた話題が放送されていました。
近藤さんは、床が見えないゴミ部屋をホテルのスイートルームのように劇的に変える片づけコンサルタントだそうで、片付けが苦手な私には、ぜひ必要な本だと興味がわきました。
何と世界各国で三五〇万部も売れているそうです。
近藤さんは、モノが家に溢れているのに、なかなかモノが捨てられない人に、「この品はあなたにとってときめきますか」と問いかけ、ときめくモノだけ取っておき、ときめかないモノには、深く感謝をして捨てるように促しておられました。
一方その翌日、別な番組で世界的なデザイナーで、今年二月に亡くなった榮久庵憲司さんの放送がありました。
代表的なデザインには、赤いキャップがついたキッコーマンのしょうゆ卓上瓶やヤマハのオートバイ、新幹線などがあります。
榮久庵さんは、広島のお寺のご出身で、原爆が投下され焼け野原となった広島で、消えゆくモノたちの悲痛な叫びを感じると共に、人の生活にモノを取り戻すために何かする必要があると思い、デザインの道に進むことになったそうです。
榮久庵さんはインタビューの中で、「人が生まれ、年を取り、病にかかり死ぬのと同じように、工場ではモノが生まれ、幾年も役に立ち、そして最後には死を迎えます。モノが痛い痛いと声をあげます。人が長年生きてどこかが傷み、病気になるのと同じことです」と言われ、一つ一つのモノを、一つ一つのいのちとして見つめておられました。
いずれもモノについての話題ですが、大変難しいことですが、ときめかない不必要なモノが溢れるような環境を、なるべく周囲に作らない心がけが必要です。
そして一度選び求めたモノは、大切に最後まで使う心がけも必要です。お二人のお話に反省させられました。
2015年05月16日【240】