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1月1日~末永く続く平和と繁栄のために
明けましておめでとうございます。今年も「覚照寺・心の電話」をよろしくお願い申し上げます。
昨年は、年号が平成から令和に変わる節目の年でした。様々な事件や出来事がありましたが、国際問題では米朝、米中、日韓の対立、東日本を中心とした台風による甚大な災害など、地球の温暖化が影響していると言われる自然災害が多数発生しました。
令和二年は、国際間の対立や環境問題が少しでもよき方向へ向かうよう、それぞれが努めねばなりません。
仏教を開かれたお釈迦さまが、よわい八十歳になられたとき、当時のインドのある国の様子を、弟子のアーナンダに聞かれたときのお話が残ります。
一つに、その国の人は、よく集会を開いてよき話し合いをしているか。
これはお互い生まれ育ちや考え方の違う人々が、常に胸襟を開いてよき話し合いができているかということです。
二つに、協力し合い、お互いに為すべき勤めを為しているか。
三つに、国の規則を守り、礼儀正しく生活をしているか。
これらは、皆それぞれに自国の利益を優先するのでしょうが、それだけに縛られることなく、さらに広い考え方を持ち互いに敬い協力し合って、物事に対処することを問うています。
四つに、お年寄りを敬い、女性・子どもを大切にしているか。
五つに、祖先を大切にし敬っているか。
これは、皆それぞれが一人の人間として互いに大切にすべきもの。過去、現在、未来にわたって人間が尊重すべきものを教えています。
六つに、家庭内は正しく汚れなく、たわむれはするが、欲におぼれず、つつましい生活をしているか。
七つに,常に学ぶことを忘れず、悪から身を守り、怠けてはいないか。
人間の生活には、楽しみもゆとりも快適さも大切ですが、それに溺れることなく、規則正しく、慎ましやかな生活を送ることを勧めています。
お釈迦さまは、平和で、末永く続く繁栄のため、家庭に、職場に、社会にとって、実践すべき七つの教えを説かれたのです。
1月1日~末永く続く平和と繁栄のために | 2019年12月31日【349】
12月16日~仏縁を結んでいただくために…
師走の青空に浮かぶ、蝶のような形をしたちぎれ雲を蝶々雲と言います。この雲が出ると天気が崩れる可能性が高いのだそうです。
さて、今月の十六日、覺照寺では第三番目の納骨堂の施設を建立する起工式を執り行いました。名称は「第三偲恩堂」と言います。
「お寺に安心してお参りのできるお墓がほしい」という門徒方の要望に応えてのものですが、お寺では、お墓をお寺の敷地内に作ることが本来の目的ではありません。
今生でお別れした人が残すものが三つあると言います。
一つは思い出です。楽しかったこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、辛かったことなど、いっしょに暮らした様々な思い出を残して人はお別れをします。
二つ目は遺骨です。人が亡くなると火葬されて、必ずそこにはお骨が残ります。通常は遺族によってお墓か納骨堂に安置されて、後に残る人々のいのちの縁となり、お彼岸やお盆にお参りして、故人を偲び感謝の心を育んでくださるものです。
三つ目は仏縁・仏さまのご縁です。仏教を開かれたお釈迦さまも涅槃に入る直前、今生でのお別れを案ずるお弟子方に、「仏さまの教えを拠り所として生きて行きなさい」と諭されました。
親鸞聖人も、「自分が目を閉じたならば、遺体は加茂川の魚に与えなさい」と言われ、我が亡き後はお骨を頼りとするのではなく、お念仏の教えを拠り所とすべきことを伝えられました。
お寺に納骨堂を建立する目的は、まさしくこの仏さまとのご縁を、お念仏のご縁を、後に残る方々へ結んでいただくためなのです。
今年も覺照寺心の電話を聞いて下さって有り難うございました。
来年も、一人でも多くの人へお念仏の心をお届けするために励みます。
皆さま健康に留意され、健やかで、和やかな新年をお迎え下さい。
新年は、元旦の朝にお話しが変わります。
12月16日~仏縁を結んでいただくために… | 2019年12月16日【348】
12月1日~あなたの歳は、いまいくつ?
師走の穏やかな晴天を「師走日和」といいますが、願わくはそのような日が続いてほしいと思います。
さて先日、お寺にお参りに来られたおばあちゃんが私に向かって、「最近本当に日が経つのが早くなりました。ご院家さんもそうですか」と聞かれました。
最近、私もそう思うようになりましたので、「ホントですね。日が経つのが早いですよね」と応えました。
年をとればとるほど、月日が経つのが早く感じるというのは、まんざら嘘でもないようで、フランスのジャネーという哲学者は、例えば、五歳の子どもにとって、一年の長さは人生の五分の一ほどに感じますが、五十歳の人には一年の長さは人生の五十分の一に感じると唱えています。したがって、五十歳の人の十年間は、五歳の子どもの一年間に当たることになります。
これは、人間は若ければ若いほど、すべてのことに未経験で、見るもの聞くもの触るもの、すべてに新たな経験と感動があります。よって時間がゆっくりと流れていきます。
逆に高齢になればなるほどすべてが経験済みで、新たな経験をすることもなく、感動することもなく、生活にもそれほど変化はなく、よってあっという間に時が過ぎていくということです。
あなたの歳は、今おいくつでしょうか。令和元年も早十二月、時が経つのが早く感じられませんか。そうしている間に、皆ジャーネーとお別れをしていかねばなりません。
問題なのは、その私のお別れがいつくるのか、どこでなのか。そして順番もなければ、代わることもできないということです。
一日一日を大切に生きるには、どうしたらよいでしょうか。
限りある命を、尊く生きるには、どうしたらよいのでしょうか。
そして、私のいのちはどこに向かって生きているのでしょうか。
年末のひと月を過ごす中で、それらのことを考えながら過ごすことも大切ことではないでしょうか。
12月1日~あなたの歳は、いまいくつ? | 2019年12月01日【347】