8月1日~暑い世界味わわないために…
毎日、うだるような暑い日が続いています。
人間の世界でこのように暑いのですから、灼熱の地獄は耐えることのできない暑さでしょう。
その地獄に墜ちてしまった罪人を裁くのは閻魔大王です。閻魔さまは地獄に墜ちてきた罪人に聞くそうです。
「お前は、人間の世界にいたときに、三人の天使に会わなかったか」
「いいえ、天使には会っていません」と、罪人は震えながら答えます。
「ならば、人間の世界で、体の弱った老人に会わなかったか。病気に苦しむ人に会わなかったか。死んだ人に会うことはなかったか」
「はい、老人や病人や死人には、幾度となく会いましたが…」
「その老人や病人、そして死人こそ、お前にとって天使だったのだ」
閻魔さまはそう言って、罪人に話をされました。
「お前は、老人という天使に幾度となく会いながら、やがて自分が老いていくことを深く考えることなく、老人をいたわることをしなかった」
「お前は、病人という天使に幾度となく会いながら、自分もいつかは病気になることを深く考えることもなく、病人の苦しみや悩みに心から寄り添う気持ちを持たなかった」
「お前は、幾度となく死人やお葬式の場に会いながら、いつかは自分も死なねばならぬという現実を見つめることもなく、人間の世界のはかない楽しみばかりを求め、自分のいのちの行く末を問い求めることがなかった」
生前に、自分のいのちの行く末を求めない人間が来るところはここ地獄しかない。自分のいのちを深く見つめることもなく、我欲にとらわれた人生を送った者の来るところがここ地獄である。ようこそ、ようこそ、灼熱の地獄へ。
暑い日が続きます。これ以上暑い世界を味わわないように,閻魔さまのお話を素直に聞きましょう。
2015年08月01日【245】