7月1日~あなたにケータイの仏教を
「今年はよく雨が降りますね」との挨拶がいたるところで聞かれます。
さて先般、ドイツから来られた女性のお坊さんの講演を聞きました。
その方は、当初建築のお仕事で来日され、また大学院で学び、日本のお寺のご子息とご縁があって結婚され、そして仏教を学び得度を受式し、僧侶となられたのです。
講演では、外国人から見た浄土真宗・お念仏の教えの特徴を、お話しくださいました。
特徴の一つ目は、家を持ち定住し、家庭を持ち、仕事をし、子育てをし、地域での生活を営む、いわゆる在家のための仏教であるということです。
このような在家の生活を営む者は、覚りを得るための修行も、座禅も、托鉢も、荒行もままなりません。そのような私たちが、如来の覚りに向かうことのできる教えということです。
二つ目は、怒りや腹立ち、ねたみやそねみの煩悩が止むことのない凡夫が、煩悩を持ったまま救われる教えであるということです。
それは煩悩を断つことのできない私を必ず救おうと、飽くことなく、阿弥陀如来がはたらいていてくださるからです。
三つめは、女性の救いが明確に説かれた教えであるということです。阿弥陀如来の願いはわけへだてのない無条件の救いであります。
四つめは、修行も、道具も、お金も、何もいらない。南無阿弥陀仏のお念仏一つで救われる教えであるということです。
それを、その方は「ケータイの仏教」と喩えられました。
ケータイ電話のような、というと軽々しく聞こえますが、よく考えるとケータイは今や誰でも、どこでも、どんなときでも気軽に所持でき、電話はもちろん、地図や辞書、カメラなどほとんどが揃い、あらゆる時の助けになります。
そのいつでも、どこでも、どんなときでも、お念仏一つで私を助け導いてくださるのが浄土真宗の教えと喩えられたのです。有り難いことです。
2015年07月01日【243】