12月1日~人から褒められるときは。
二〇一四年も残すところあと一ヵ月。月日が経つのは早いものです。
さて、年齢を重ねると共に様々な式典の場で挨拶をする機会が増えました。
結婚式や役職者の交代式での挨拶、またお葬式は挨拶ではありませんが、毎回ご法話を
させていただきます。
そのような機会があるごとに、その当事者のことを縁ある方々によく聞いた上で挨拶をするように心がけています。そうでなければ、いい加減な挨拶になってしまうからです。
するとやっぱり、その当事者のいい点を見つけてお話しすることになりますが、よくよく考えてみると、人がめいっぱい褒められるときは、結婚式や何か大きな成功を収めたとき、あるいは人生最後の儀式であるお葬式の時かもしれません。
人から褒めてもらったり、あるいは認めてもらうということは、やっぱり嬉しいことです。
私も昔お勤めをしていたときに、上司から褒められたときは、大変嬉しかったことを覚えています。例えそれがお世辞であったとしても。
だからやはり常々、周囲の人の長所を見つけては、それを認め讃えることに努めた方がよいでしょう。
ただ一つ、自分自身が褒められた時に、お釈迦さまからアドバイスがあります。
「ただ誹られるだけの人、また褒められるだけの人は過去にもいなかったし、未来にもいないであろう、現在にもいない」
周囲の人から認めていただいたり、褒めていただいたときは、褒めていただいたことに感謝をし、さらに周囲の人に喜んでいただけるような努力をしましょう。と同時に、有頂天になることを避けて、まだまだ足らないところや自分自身に欠点があることを忘れてはならないと、お釈迦さまは諭されています。
そして常日ごろから、自分自身の本当の姿を知ろうとする姿勢が大切です。
それは仏さまのお話を聞くことから始まります。
2014年12月02日【229】