10月16日~なぜ大きな声でお経を読むの?
大きな台風が去ったとたん、寒さが急激に増してきました。
さて先日、土曜学校に通う小学生の男の子が、「お寺ではなぜ大きな声を出してお経をお勤めするのですか。ご法事やお葬儀でも、なぜ、お経をお勤めするのですか」と質問しました。
常々お寺にお参りをして、本堂でお勤めをするお坊さんの姿を見ているからこその質問です。私はこのように答えました。
お経は、仏さまの教えを説いてくださったお釈迦様のお言葉が記されています。
お釈迦様は、私たち人間一人ひとりがどのように生きていけば本当の幸せを求めることが出来るのか、また心豊かで安らかな日々を送ることが出来るのかをお話くださり、それをまとめたのがお経です。
お経を読みお勤めすることは、いつでも自分の生き方を反省して、仏さまの願いにかなった正しい生き方を教えてもらっているのです。
また、ご法事やお葬式でお経をお勤めするのは、私たち一人ひとりが、この命を終えるその時まで、何を一番大切にすべきかを教えていただいているのです。
とても残念なことですが、この世に生まれたものは必ず死ななくてはなりません。
「死ぬのはイヤだ」と誰しも思うけど、絶対に避けることは出来ないし、逃げることも出来ないし、代わることも出来ません。
お経のどこを読んでみても死なない方法は書いてありませんが、一度きりのいのちをどのように大切に生きるのかという方法はいっぱい書いてあります。そして、仏さまの世界・お浄土でまた新しいいのちをいただく方法まで書いてあります。
ご法事やお葬式でお経をお勤めするのは、後に残る縁ある私たちが、そのことを教えていただいているのです。大きな声は、仏様の心が一人でも多くの人に届くように、精いっぱいお勤めしているのです。
質問した小学生には、以上のことをわかりやすくゆっくりとお話ししました。
小学生からお寺や仏さまについての質問が出ることは、とても有り難いことです。
2014年10月18日【226】