2月16日~生き方のお手本はお寺で…。
関東、東北地方は大雪に見舞われ、雪かきなどご苦労が偲ばれます。
さて、先日ご法事の席で男性のご門徒が、「私は、まだまだ若いから門徒式章はつけませんよ。あれは老人がつけるものだから…」とおっしゃいました。
その言葉を聞いて、私はご門徒への、常日ごろの説明不足を反省するとともに、お寺の有り様も考えさせられました。
確かに仏事の時、門徒式章を着用している人の多くは年配者で、それを見た男性は、門徒式章は老い先短い人たちが着けるもので、俗に言う縁起が悪いものと理解されたようです。
門徒式章とは、浄土真宗の門信徒が、仏前で礼装として着用する法具で、門徒としての証となるものです。
僧侶が仏前においてお勤めをする時に、礼装として衣と袈裟を着用しますが、それと同様にご門徒が、仏前でお参りをするときの礼装が門徒式章であり、老若男女にかかわらず、また葬儀や法事、お祝い事のすべての仏事の時に、門徒すべてが着用するものです。
縁起が悪いどころか、仏さまの願いにかなうご門徒の正式な姿です。
お寺というと表面上、どうしても葬儀や法事に関わることが多いので、この男性のご門徒のように、誤解されることも分からないでもありません。
しかし、お寺で説かれる仏さまの教えは、人が亡くなることやその後のことよりも、この世に命を受けたものが命を粗末にすることなく、いかに心豊かに生きるのか。また仏法を聞くものがどのようにして差別のない、平和な世の中を築くため務めるのか、ということが中心です。
その生き方のお手本となるのが、仏さまのお姿とはたらきであり、心豊かな社会のお手本となるのが、お経に説かれるお浄土の世界です。
それは、常々お寺にお参りして、聞き開いていかなければ理解できません。
お寺は、命をいただいた私たちが、いかに心豊かに生き、明るく平和な世の中のために務めるのか、聞き開いていくところです。
どうぞ年配者はもちろんのことお若い方も、門徒式章を着けて、お寺にお参りください。
2014年02月16日【210】