8月16日~どっちが大切なの?
今年もお盆のお参りが終わりました。
さて先日、こども園で、年長児の男の子が先生に質問したそうです。
「先生はいつも、『先生のお話をよく聞くことが大切ですよ』と言ったり、『みんなのいのちは大切ですよ』と僕たちに話したりするけど、お話を聞くことと、いのちと、どっちが大切なの」
先生のお話をよく聞いている子どもでしょう。いい質問です。
その質問に対して先生は、お釈迦さまの前世の物語から一話、お話ししたそうです。
むかし、お釈迦さまは、サルの王様として、たくさんのサルたちと大きな森の中で暮らしていました。森の中には、恐ろしい鬼が住んでいたので、常々十分気をつけるようにと、サルたちに話をしていました。
ある日のこと、サルたちは、森の奥できれいな池を見つけて、その水を飲もうとしましたが、王様の教えを思い出して、王様が来るのを待っていました。
池に到着した王様は、その池を見回して、池に降りていく足跡はたくさんあるのに、池から上がってくる足跡が一つもないのに気がつき、この池に入ったら、出てこられないと思い、サルたちに水を飲ませませんでした。
すると、池の中から恐ろしい姿の鬼が出てきて、「早く池に入って水を飲め」と誘いました。サルを捕まえて食べてしまうつもりです。
サルの王様は、池の淵に生えている葦をぬいて、その先を水面に入れて、水を飲むことをサルたちに教えました。
サルたちは王様の教えをよく聞いて、その通りにして水を飲むことができました。
お陰で一匹も鬼につかまることはありませんでした。
こども園の先生は、このお話をして、「皆さん一人ひとりのいのちは大切です」、そして、「先生のお話を聞くことも大切ですよ」と、あらためてお話ししたそうです。
2023年08月16日【434】