2月1日~最悪のシナリオは既に…
厳しい寒さに、庭の木々が春待ち顔をしているようです。
さて、食品や生活用品などあらゆる物が高騰する中で、物価の優等生と言われる卵までも値上がりをして、その一因に鳥インフルエンザがあるようです。
鳥インフルエンザの中で、高い致死性があるものを高病原性鳥インフルエンザといい、鶏の致死率は七十五パーセントに達するそうです。
鶏舎などで感染が確認されると鶏舎内のすべての鶏が殺処分され、農場の閉鎖や消毒がされます。
今季、殺処分された鶏などは全国で既に一千万羽を超え、鹿児島県内では百三十四万三千羽になるそうです。
数羽感染しただけで農場内の鶏をすべて殺処分してしまうことは、食品衛生上、また感染拡大を防ぐためだけと思っていましたら、そうではないことが先日、南日本新聞に書かれていました。
鳥インフルエンザウイルスは、感染した鶏やふんなどに直接触れなければ、人にはうつりにくいのですが、ウイルスは変異するもので、感染が拡大すれば、他の動物や人間と、ウイルスが接触する機会が増え、新型の危険なウイルスが現れる可能性があります。
ウイルス感染が広がり、人から人への感染力が強まり新型のインフルエンザになった時、最大で人口の四分の一にあたる三二〇〇万人が感染し、六四万人が死亡すると、日本政府が想定していることも、新聞には書かれていました。
これらのことを知りますと、たくさんの鶏が殺処分されていることは、最終的には人間の命を守るための行為と言えます。
テレビや新聞で時折、感染による大量の鶏の殺処分の報道があり、私たちは慣れっこになっているような感がありますが、私たち人間の命を守るために、たくさんのいのちが失われていることを、心にとどめておきたいと思います。
新聞では、もしもの人間への感染拡大を最悪のシナリオと表現してありましたが、鶏たちにとってはもう、最悪のシナリオのただ中です。
2023年02月01日【421】