10月1日~仏さまを思い、ご門徒を思い…
先月十八日に到来した台風十四号は過去最強クラスで、台風の特別警報が沖縄以外で発令されたのは初めてという強い台風でした。
被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
お寺は、本堂や書院など建物には被害はありませんでしたが、お寺に登る坂道の桜の大きな枝が折れました。またお寺の裏山から数本の竹が倒れて道路を塞ぎ、自動車が通行不可能になり、さらに境内や納骨堂周辺が一面葉っぱで埋め尽くされました。
翌日の早朝、荒れ果てた光景を見て途方に暮れていると、建設会社のWさんが自ら駆けつけてくださり、まだ雨の降る中、ずぶ濡れになりながら納骨堂周辺の落ち葉を片付けてくださいました。
植木屋さんのWさんも駆けつけてくださり、機械で倒れた竹や桜の木を切って、その日の午前中のうちに車が通れるようになりました。
翌々日の朝は、こども園の先生方が境内一面に散れた大量の葉っぱを一日かけて清掃してくださいました。
皆ボランティアでまことに有り難かったのですが、何よりも有り難かったのは、「仏さまがいらっしゃるお寺は少しでも早くきれいにしなければ」「ご門徒がお参りに来られるお寺だから、早く掃除をしなければ」という、仏さまを思い、参拝されるご門徒を思う皆さんの心です。
仏教でお金や物は持たなくてもできる施しの中に、体をもって行う施しを「身施」と言いますが、仏さまのご恩を思い、参拝するご門徒を思い、皆汗だくになりながら、多くの方々にこの「身施」をいただきました。
ちなみに、その翌日は子ども園の職員も、住職のわたしも全員腰痛になり、それほど大変な作業だったのですが、互いに笑い合い、労をねぎらって、心地よい痛みとなりました。
2022年10月01日【413】