5月1日~お荘厳のお仕事とは…
青空をこいのぼりが元気に泳いでいます。
さて、お家のお仏壇をお花やお灯明、お供え物で美しく整えることをお荘厳と言いますが、あなたのお宅のお仏壇は美しくお荘厳されているでしょうか。
先日、仏師・江里康慧先生とお会いするご縁をいただきました。仏師とは仏像をお作りになる方のことで、先生は現代仏教美術を代表する仏師です。
また、奥様の江里佐代子先生は既にお亡くなりになりましたが、金銀をのばし広げて細かく切った薄い板を、仏画や仏像に張り付けて美しい文様を作り出す截金の技法で人間国宝に認定された方です。
京都の先生の工房で、様々な仏像や優美な截金の作品、その作業風景を見せていただきました。
名刺代わりにと、お二人が以前、展覧会をされた折の記念誌をいただき、その中に、奥様の佐代子先生のお言葉がありました。
「お荘厳の仕事は、たんに技術というのではなくて願い、祈り、というもので、その気持ちなくしてはできない仕事です」
仏さまのお姿をお作りする、あるいは仏さまの周囲をお飾りするお仕事は、そこに仏さまをお敬いする真心や祈りの心がなければできないと言われます。
「仏さまに出遇えた時の歓喜の光、それを最も適切に表せるのが金だった」
截金をはじめ仏具には美しい高価な金が使われますが、それは仏さまの救いや教え、仏さまにわが身が常に照らされていることの最高の喜びを表すためだとおっしゃっています。
このお言葉は、私たちの日々のお仏壇のお給仕、お荘厳にも通じることではないかと思います。
お仏壇のお給仕は、私が仏さまをお敬いする真心やその教えに出遇えた喜びをを形に表すことに他なりません。
あなたのお宅のお仏壇はいつも美しく整えられていますか。とても大切なことであります。
2016年05月04日【260】