「四十九日」が三月にまたがるとよくないことが起こる?
人が亡くなられて四十九日間を中陰といい、命日から数えて七日目を初七日(しょなのか)、次の七日目を二七日(ふたなのか)、次を三七日(みなのか)というように七日ごとに法要を勤め、最後の七七日にあたる四十九日は、中陰が満つる意味で満中陰といい、特に丁重にお勤めをします。
この四十九日の満中陰の法要について、「四十九日が三ヶ月にわたるとよくないことが起こる」からと、早めに法要を済ます方もおられるようです。また、このことでお寺によくご相談にも来られます。
これは、「始終苦しみが身に付く→四十九(しじゅうく)日が三月(みづく)」という語呂合わせからきた迷信です。おそらく「友引の日に葬式をしてはいけない」というものと並んで、仏事ではもっとも根強い迷信です。
無茶な迷信です。月の後半に人が亡くなれば、四十九日が三ヶ月にまたがるのは当然のことで、大切な中陰のご法要を、他愛もない語呂合わせによる迷信によって変更したり早めてしまうのはとても粗末なことです。
身内の人がお亡くなりになるのはとても悲しいものです。中陰の四十九日間は、故人とご縁のあった一人ひとりがその悲しみ乗り越え、いのちについてゆっくりと省みるために仏さまから与えられた期間なのです。迷信などに惑わされることなく大切にお勤めください。
また、「会社勤めや家の事情で、平日に七日七日の法要や四十九日の法要が勤めることができないが…」というお問い合わせをいただきますが、ご法要は一人でも多くの方が仏縁にあうことが肝要です。そのような理由であれば、本当の法要の日に近い日で、なるべく多くの人が集まることのできる日に法要の日をずらしてもかまいません。
2004年11月13日【6】
仏事よくある質問
- ご法事の案内文・挨拶等の基本を教えてください。
- お正月にご法事…どうしても「精進料理」か?
- 「お彼岸」ご門徒にしてほしいこと…?
- 中陰のお参り(お勤め)はどこでするのですか?
- 「初盆」…一番大切なことは?
- 浄土真宗の正しいお墓の立て方を教えてください。
- お寺の龍の彫刻や飾りにはどういう意味があるの?
- 年回法要はいつまで勤めるのですか?
- 仏事の場で心得ておきたいこと
- 初詣…門徒のお正月は?
- お仏壇はどちらに向ければいいのですか?
- 「永代経」とはなんですか?
- ご法事の案内状の正しい形を知りたいのですが…?
- ローソクの灯りとお線香は終日点火するのですか?
- 「お盆」とは、どのような行事なのですか?
- ご法事を併せて勤めていいのでしょうか?
- 「法名」「戒名」いったいどっち?
- 法事の日を遅らせてはいけませんか?
- お仏壇の中に仏さまがいっぱい・・・いいのかな?
- 故人の写真はどこに飾るのですか?
- お仏壇にお供えする花に決まりがありますか?
- 「お性根入れ」「お魂入れ」は必要ですか?
- 「四十九日」が三月にまたがるとよくないことが起こる?
- お仏壇に、お水やお茶はお供えしないのですか?
- 「北枕」で寝るとよくないことが起こる?
- 「お彼岸」について教えてください。
- お仏壇のお飾りのしかたと、意味を教えてください。
- 仏事の際の、金封の表書きはどう書くのですか?