「初盆」…一番大切なことは?
「今年は初盆です。どのようなお飾りをしたらいいですか?」。このような質問をよく受けます。大切な方を亡くされた年。家族皆で故人を偲びつつ、初盆を大切に勤めたいという思いはとても尊いことです。
お仏壇のお供えについて
一般の法要と同様のお飾りをします。前卓(まえじょく)に打敷(うちしき)を敷いて、ロウソク立て一対、華瓶一対、香炉の五具足(ごくそく)にします。お供え物は、お菓子、季節の果物とし、生臭ものは供えません。また、ご親せきから「初盆」のちょうちんや灯籠(とうろう)を頂かれたときは、せっかくですからお仏壇の周りをそれでお飾りしましょう。
なお、精霊棚は、浄土真宗では用いません。精霊棚とは、お料理や団子、だくさんの果物や、野菜で牛や馬の形を作ったものを備えた棚で、ご先祖の霊がその牛や馬に乗ってこの世に帰ってきて、そのお供え物でもてなすものです。
しかし、亡くなられた先祖は、フラフラ迷う霊などでは決してありません。阿弥陀如来の本願力によって、間違いなく仏となられています。ですから、浄土真宗では、精霊棚も、迎え火送り火も不要なのです。
ご供養で大切なことは?
お盆は正式に「盂蘭盆(うらぼん)」と言い、お釈迦さまのお弟子の目連尊者が、餓鬼道に堕ちた亡き母を救おうとして、この世から食物を持っていきますが助けることが出来ず、お釈迦さまに助けを請い、その導きでお坊さん方に供養をして母が救われたという故事から起こった行事です。
この故事で大切なことは、“母を救おうとした、母に恩返しをしようとした目連尊者が、仏さまの確かな教えに出遇った”ということであり、そして“その教えによって、母親も目連尊者も共に救われた”ということです。
ですから、ご供養で大切なことは、故人にご縁のある方々が一同に集い、お念珠をかけた手を合わせて、「南無阿弥陀仏」のお念仏をお称えすることです。その姿を、仏となられしご先祖に見ていただくことが、何よりのご供養となりましょう。
2006年07月31日【25】
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