法事の日を遅らせてはいけませんか?
最近のご法事の傾向の一つに、日曜日に日をよせてされるご家庭が多くなったということがあります。会社勤めや遠方からのお参りを考慮してのことでしょう。
それは決して悪いことではありませんが、しかし“当然のこと”として考えても困ります。やはりご法事は祥月命日、つまりお亡くなりになった月日が同じ日に勤めるのが本来の姿だからです。
しかし、ご法事には大切な意味があります。それは“今は亡き人を偲びつつ、あとに残る縁ある人たちがお経をいただき、仏さまの教えとお心を頂く”ということです。この意味から考えると、亡き方とご縁のあった方々が、なるべく集まりやすい日に設定することも大切なことです。
ただ、人間は不確かなもので、身近な人のご法事も一周忌や三回忌までは忘れることはありませんが、二十五回忌くらいになると、「あれ、今年だったっけ、いや来年だったかも…」ということもあるようです。
一般に「法事を早く行うのはいいが、遅らせてはいけない」というのは、うっかりしてご法事を行うのが遅れないよう、早めに考えるように戒めとして、事前注意として昔の方々がおっしゃったことです。ですから、ご家族の方が、先ほどのご法事の大切な意味をお分かりであれば、若干早めても、遅らせてもかまいません。
またそのことで、ご先祖が立腹されて祟るとか、罰が当てるというようなことも一切ありません。ご法事の日程を少々ずらしたくらいで怒るような心の狭い仏さまは、仏さまではありません。仏さまのお心は、わたしたちにははかり知ることができないほど広大で深いものです。
なるべく祥月命日を中心にして、ご縁ありし方々が参集しやすい日を選んで、ゆっくりと故人を偲び、仏さまのみ教えを聞く…ご法事の基本です。
2005年04月13日【11】
仏事よくある質問
- ご法事の案内文・挨拶等の基本を教えてください。
- お正月にご法事…どうしても「精進料理」か?
- 「お彼岸」ご門徒にしてほしいこと…?
- 中陰のお参り(お勤め)はどこでするのですか?
- 「初盆」…一番大切なことは?
- 浄土真宗の正しいお墓の立て方を教えてください。
- お寺の龍の彫刻や飾りにはどういう意味があるの?
- 年回法要はいつまで勤めるのですか?
- 仏事の場で心得ておきたいこと
- 初詣…門徒のお正月は?
- お仏壇はどちらに向ければいいのですか?
- 「永代経」とはなんですか?
- ご法事の案内状の正しい形を知りたいのですが…?
- ローソクの灯りとお線香は終日点火するのですか?
- 「お盆」とは、どのような行事なのですか?
- ご法事を併せて勤めていいのでしょうか?
- 「法名」「戒名」いったいどっち?
- 法事の日を遅らせてはいけませんか?
- お仏壇の中に仏さまがいっぱい・・・いいのかな?
- 故人の写真はどこに飾るのですか?
- お仏壇にお供えする花に決まりがありますか?
- 「お性根入れ」「お魂入れ」は必要ですか?
- 「四十九日」が三月にまたがるとよくないことが起こる?
- お仏壇に、お水やお茶はお供えしないのですか?
- 「北枕」で寝るとよくないことが起こる?
- 「お彼岸」について教えてください。
- お仏壇のお飾りのしかたと、意味を教えてください。
- 仏事の際の、金封の表書きはどう書くのですか?