お寺の龍の彫刻や飾りにはどういう意味があるの?
先日、お寺にお参りに来られたご門徒が大修復を終えた本堂をご覧になって、「お寺がきれいになって本当によかった。それにしても、お寺にはよく龍の彫り物がありますが、どういう意味があるのですか?」と、質問をされました。したがって、今回は仏事の質問ではありません。
龍は仏教発祥の地・インドでも仏法を護る存在でした。ブダガヤで悟りを得ようと瞑想するお釈迦さまを、七首のナーガ(龍)が鎌首をあげて背中から覆い、風雨から護ったという「ムチリンダ龍王」という有名な説話が残っており、これを受けた古い彫刻が仏教国・カンボジアにも多数現存しています。
親鸞聖人も『現世利益和讃』において、「難陀(なんだ)、跋難(ばつなん)、大龍(だいりゅう)など無量の龍神(りゅうじん)が、お念仏を称える人を夜昼常に護る」と示されており、難陀、跋難も共に龍の一種だと言われています。
一方、中国の仰韶(ぎょうしょう)時代の彩色土器にその原型が見られ、日本の仏教美術に見られる龍は、中国的形態を受け継いでいます。
これらの意味と歴史を受けて、お寺にある龍の彫刻は、仏法とそれを信仰するすべての人々を護ることを意味していると考えられます。
大修復において、覚照寺本堂の大棟瓦に刻まれた二ひきの「阿吽の大龍」は、覚照寺の本堂とお念仏を称える門徒すべての方々が、これら龍神に夜昼常に護られていることを示しています。また、この本堂入口、本堂内正面上段、お内陣の龍など、この本堂内の至る所にもそれは示されています。
2006年04月07日【22】
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