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中陰のお参り(お勤め)はどこでするのですか?

 先日、ご主人を亡くされたCさんから質問を受けました。「初七日、二七日、三七日…、そして四十九日の法要(満中陰)」のお参りはどこでするのですか?」という質問です。「どこで?」と聞かれたので、「お寺もしくはご自宅で」ともっともな答えを述べたのですが、Cさんの質問の意味は違いました。

 お葬儀が終わり、火葬を済ませ自宅に還った故人の遺骨は、葬儀社が特別に準備した壇に安置し、ロウソク立てやお花、香炉が置かれ、写真やお位牌、またお供え物が置かれます。これを中陰壇と言います。
 Cさん宅では、お参りをするのはこの中陰壇か、元来家にあるお仏壇か、家族で意見が分かれたとのこと、そこでお寺に問い合せに来られたのでした。
 “なるほど”と思いました。中陰壇にはご主人の写真やご遺骨、お花、お供え物がたくさんあって、どうしても家族や親せきの目は中陰壇の方へ行きがちです。中には、お仏壇の方にはお供え物もお花もなく、お灯りも点けてないご家庭も時折見受けます。
 でも、浄土真宗では中陰壇ではなく、お仏壇の前でお勤めをします。またご門徒にも、「まず、お仏壇にお参りするように」と申します。それは、浄土真宗の大切な教えによるからです。

 日本に元来ある中陰の習俗によれば、亡くなられた方は死後四十九日の間、迷いの世界をさまようので、その間、亡き方が“良い世界”に生まれるようにお供えお参りをして功徳を振り向けなければなりません。つまり、あとに残る人たちが、亡き方のためにあれこれ心配しなければならないのです。
 しかし、浄土真宗の阿弥陀如来のお救いは“即得往生”、つまり四十九日間迷うことなく即お浄土の世界に往き生まれるのです。ですから、あとに残る人たちはあれこれ心配する必要がないのです。

 ですから、私たちは、亡き方のことは阿弥陀如来に安心しておまかせして、間違いなくお救い下さる阿弥陀如来を仰ぐのであり、亡き方が参られたお浄土を形に表したお仏壇に手を合わすのです。
 なお、お飾りはお仏壇を正面にし、中陰壇はお仏壇の横に設けるようにしましょう。

中陰のお参り(お勤め)はどこでするのですか?2006年08月18日【26】

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