12月16日~多くのいのちの犠牲の上に…
今年もあと半月、あなたにとってこの一年早かったでしょうか、遅かったでしょうか。
さて、十二月初旬、志布志市松山町にある鹿児島県曽於家畜保健衛生所の家畜追悼法要に出向きました。
阿弥陀如来の尊形を設置し、お花やお蝋燭、お供え物を整えて読経とご法話を勤めました。
私たちの日々の食事は、多くの動植物のいのちの犠牲の上に成り立っており、その多くの尊いいのちと、その勤めに関わる皆さまのおかげによって、私たちは日々のいのちをつないでいます。
さらに昨今は、家畜を襲う伝染病も多くあって、ひとたびそれが広がると大量の家畜を早期に殺めるいわゆる殺処分も行われます。本当に私たちのいのちと生活は、それらの多くのいのちの犠牲の上に成り立っています。
そのご恩を深く感じつつ、感謝と懺悔の思いをもって生活をさせていただくことを人間は忘れてはなりません。
その法要の意義を阿弥陀さまの尊前で奉告してお勤めしましたが、十数名の職員方が皆、真剣にお参りをして聴聞くださいました。
仏教では、お肉やお魚を食べることを否定はしませんが、必要以上に食べること、また食べ残しをすることを慎みなさいと教えます。それだけいのちを奪うことにつながるからです。
また、私たちのいのちと生活が、多くのいのちに支えられているご恩を感じることができたなら、自分のいのちを大切にして、世のため人のために生かしなさいと教えます。 今年も多くのいのちに支えられて、過ごさせていただきました。年末に当たり、一人ひとりが静かにそのご恩に感謝いたしましょう。
今年も、覺照寺「こころの電話」を聞いてくださって、有り難うございました。
令和四年は、一月一日の朝、新たなお話が始まります。皆さま和やかな新年をお迎えください。
2021年12月18日【394】